ゴミ屋敷を相続し専門業者の手でようやく全てのゴミが撤去された。しかしそこで問題が終わるわけではありません。多くの場合がらんとした家には長年のゴミの堆積によって深刻なダメージが残されています。この傷だらけの家を今後どうするのか。遺された家族は「リフォーム」かそれとも「解体」かという大きな決断を迫られることになります。まず「リフォームして活用する」という選択肢です。もし建物の基礎や柱といった構造部分がしっかりしており比較的損傷が軽度であればリフォームによって家を再生させることが可能です。床や壁紙の全面張り替え、水回りの設備の一新など大掛かりな工事が必要となりますが、家を賃貸物件として貸し出したりあるいは相続人の誰かが住んだりと資産として活用できる道が開けます。ただしリフォーム費用は高額になることを覚悟しなければなりません。ゴミ屋敷の後のリフォームは通常の中古住宅のリフォームとは異なり消臭・消毒作業や構造材の補修など追加の工事が必要となるため数百万円単位の費用がかかることも珍しくありません。一方「解体して更地にする」という選択肢もあります。建物の損傷があまりにも激しく構造的な問題がある場合やリフォーム費用が建物の価値を明らかに上回ってしまう場合、あるいはその土地の立地条件が良く更地としての方が高く売却できると判断される場合にこの選択がなされます。解体費用は木造一軒家で100万円から200万円程度が相場となります。解体後の更地はそのまま売却する、駐車場として活用するあるいは新しくアパートなどを建てる、といった様々な可能性が生まれます。どちらの選択をするかはその家の物理的な状態、立地条件そして相続人たちの経済的な状況や将来設計によって決まります。不動産会社やリフォーム会社など複数の専門家の意見を聞き相続人全員で十分に話し合い最も合理的で後悔のない決断を下すことが重要です。
相続したゴミ屋敷のリフォームと解体